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私たちがめざすもの

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代表取締役社長 CEO

飯島 一暢

PROFILE

いいじま・かずのぶ 1972年総合商社に入社。メディア放送事業部長などを歴任後、1997年からフジテレビジョン(現:フジ・メディア・ホールディングス)。常務取締役などを経て、2012年6月より現職。

基礎力を培い、
時代の変化に対峙した商社時代

私は元来風来坊でしたから、大学を卒業して数年海外を渡り歩いていました。最後に過ごしたのがアフリカで、そこである総合商社の駐在員と仲良くなって、帰国後に誘われたんです。資源に乏しい日本では当時、「資源外交」といって石油や鉱物資源の調達に力を入れていて、その先頭に立っていたのが総合商社でした。これは面白そうだなと思い、アフリカ専門要員として入社して、4年間マーケティングを担当しました。1年の半分はアフリカにいましたね。
営業を経験しておかねばと、新たな主力部隊となっていた鉄鋼部門に移り、文字通り基礎を叩き込んでもらいました。当時は厳しかったですよ。能力以上の仕事を詰め込まれて、ただ必死にこなしていく。誰も助けてはくれません。その中で、どんなことも自分で解決するというスタイルを身につけたと思います。
その後何年かロサンゼルスに駐在して日本に戻ってきたら、鉄鋼産業はもう衰退していました。新たな主力分野をつくろうと会社が取り組み始めたのが、情報産業。私は所属会社のグループでつくるジョイント・ベンチャーに出向して、そこで9年間宇宙の衛星通信事業に携わりました。どんな分野であろうとビジネスの基礎ができていれば通じる。それを実感できたのは大きかったですね。

フジテレビを経て、サンケイビルへ

縁あってフジテレビに転職したのが、40代後半のときです。そこで衛星放送の立ち上げを任されました。商社とは企業文化がまったく違いましたが、戸惑うことはなかったです。ビジネスの基本は同じですから。
その後役員としてフジサンケイグループ全体をみるようになったときに、当時上場していたサンケイビルの株式が、危機的状況にありました。我々はTOBという手段で対抗、サンケイビルをフジ・メディア・ホールディングスの一員として迎え入れたのです。これにより、総合メディアグループの中に都市開発事業が加わり、グループ全体の収益基盤をさらに強化することができました。このときの陣頭指揮をとっていたのが私で、それがきっかけとなって2012年6月、サンケイビルの社長に就任しました。

めざしたのは、“面白く働ける”会社

もともとグループのアセットを管理して安定した収益を得る優良会社で、当時はちょうど管理型から開発型への転身を図ろうとしていた時期でした。しかし、機能もノウハウもまだ充分に備わっておらず、開発には極めて慎重姿勢。これでは社員も面白くないだろうなと思いました。不動産デベロッパーとして当たり前の活発な売り買いがあってこそ、社員のモチベーションが上がり、経験が蓄積されます。貪欲に開発を進めて、事業の枠を広げていく。安定よりも挑戦、面白く働ける会社にしようと考えました。

2年ほどすると、買えるものはどんどん買おうという雰囲気が社内に生まれていました。どこよりも早く情報を集めて土地や建物を仕入れ、迅速に高い利益を出すかたちにしていく。その流れができつつあったのです。私も先頭に立って営業を続けました。しかし、それだけでは限界があります。社員のモチベーションをさらに高め持続させる仕組みが必要でした。そこで行ったのが人事制度の改革です。成果に見合った報酬が得られるよう業績連動の比率を高め、大手競合に負けない給与水準をめざしました。それはまた、有能な人材を集めるためでもあります。中途採用を積極的に行うことで多彩なアセットやビジネスに対応できる態勢を整え、さらには企業文化そのものを変えていく狙いがありました。

挑戦し、変化し続ける集団へ

何十年も資産管理を堅実に行ってきた会社のDNAを変えるのは容易ではありません。経営陣と社員が一体になって取り組まねば実現できない。社長である私が9年間最も注力してきたのが、その環境づくりだと言っても過言ではないでしょう。優秀な社員たちが、働きやすい環境で高いモチベーションを発揮し続ければ、おのずと会社は成長していきます。当社はフジサンケイグループというメディアグループの不動産デベロッパーです。金融系やインフラ系に比べれば、持っている土地が多いとは言えません。つねにゼロスクラッチで戦うには、社員一人ひとりの行動力やアイデアで勝るしかない。失敗を恐れていてはとても厳しい競争を勝ち抜けません。すべての最終判断を役員会で行うかわりに責任もすべて役員全員で負う。社員に対して、その姿勢を貫いてきたつもりです。

サンケイビル単体では社員数約200名、売上は7〜800億円ですが、ビルグループ全体では約3000名の社員が各分野で活躍しています。時代のニーズに合った物流施設の開発や新たにデータセンターも視野に入れ、事業領域を広げています。どんな案件がこようと対応できるだけの人材がそろったなと実感します。自信を持って、さらに大きな仕事、他社のやっていないことに挑戦していってほしいと思います。小さな会社だからこそ、自在に変化できます。むしろ、変わり続けなければいけません。オフィスにしても住宅にしても、前につくったものと同じではなく、つねに新しいアイデアを盛り込むことが大切なのです。2021年夏に竣工した本町サンケイビルでは、急遽感染対策やアフターコロナでの働き方を重視した仕様に変更したところ、興味や関心を高く持ってくれるお客様がいます。賃貸レジデンスにはコロナ前からどこよりも早くリモートワーク対応のビジネスラウンジを取り入れ、人気を得ています。このスピードこそ当社の大きな武器だと思います。

デベロッパーという領域から飛び出そう

毎年とても優秀な新入社員たちが入ってきます。私の時代に比べ、今はみな知識が豊富で柔軟性もある。世間で言われるようなひ弱さなど、全く感じません。今後ICTなど新しいテクノロジーの活用がカギとなりますが、それを先導するのは若い人たちです。みなさんが入社して、存分に活躍できる環境は充分に整っています。
私たちはこれからも変化し続けるでしょう。デベロッパーという狭い領域に留まる気もありません。これまで築き上げてきた不動産の収益をベースに、新しいことにどんどんチャレンジしていきます。これから入ってくる皆さんには、ぜひその先頭に立って暴れてもらいたいと思います。

(2021年11月インタビュー)

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